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マッサージ店を普段利用しない方でも、「リンパマッサージ」という言葉はイメージしやすいでしょう。しかし、リンパドレナージュは聞き慣れない単語ですから、イメージしづらいかもしれません。また、普段マッサージ店を利用する方だと、リンパドマッサージとリンパドレナージュってなにが違うの?と思っている方も多いはず。
そもそもリンパドレナージュとは、欧米で医療として確立している「リンパ液の流れを改善するマッサージ」のことを指します。たとえば、顎の下にある鎖骨の角と胸鎖乳突筋が交わっている部分から、末梢神経へ少しずつリンパの流れを促したりと、体全体の末梢へリンパ液を流したら、再び初めの位置まで戻り、リンパの流れを合流させて、詰まったリンパ液の流れを改善していきます。
基本的にリンパの流れはゆるやかなので、できるだけリンパの性質に合わせて優しく単調に圧をかけてあげるのがポイント。元来のやり方ではオイルは使用されていませんが、日本で知られているスタイルはオイルを使用していたマッサージも多いようです。
リンパマッサージはマッサージという言葉を使用していますが、実際はドレナージュと目的は変わりません。施術内容は同じものと考えて良いでしょう。もし言葉の正確性を重視したいならリンパドレナージュと呼んだほうが適切です。少なくとも医療現場などにおける浮腫の改善をするための手技はリンパドレナージュと呼ぶのが正しいでしょう。
リンパマッサージとリンパドレナージュの言葉の違いは、言葉の起源にあります。リンパドレナージュはおもにドイツやフランスで使用されてきた言葉です。リンパドレナージュはフランス語であり、直訳すると「リンパ排出」という意味合いです。リンパ液の循環を良くしたり、老廃物の排出を促進したりして、全身の機能のバランスを正常に戻す施術を指し、リンパマッサージと同様の効果が期待できます。また、リンパドレナージュは一般的に医療現場で使用される用語であり、免疫力や自己治癒力を高める施術として知られています。
リンパマッサージという言葉は、ドレナージュを日本でも取り入れやすいように言い換えた言葉です。本来ドレナージュは「排出」という意味を持つフランス語であり、リンパの流れを促進して老廃物の排出を促す施術だったため、適切な表現として用いられていました。しかし、日本ではフランス語のドレナージュは聞き慣れない単語だったので普及せず、代わりに広義な意味合いを持つマッサージという言葉が広がったのです。
リンパマッサージとドレナージュの施術の目的自体は同じです。どちらも手技を用いてリンパに溜まった老廃物を外へ出すことを目的としています。目的自体は同じ、つまり根本的な違いがあるわけではないのです。言い方の違いには諸説ありますが、ドレナージュという言葉が日本に馴染みの深い「マッサージ」という言葉に代わって普及しただけ、と考えてよいでしょう。ただ、現在マッサージサロンなどのメニューや広告では2つの言葉が同じ意味として混在して使用されているのが現状ですが、日本リンパ浮腫学会はマッサージとドレナージュは本質的に異なるものだとういう見解を示しています。
日本リンパ浮腫学会は、マッサージとドレナージュでは本質的に異なるという見解を示しています。マッサージが腰や肩などの凝りをほぐすためにする手技であるのに対し、ドレナージュはリンパ液の排水を目的する手技だからです。マッサージは凝りをほぐすためにやや強めの圧をかける場合がありますが、ドレナージュでは強い圧は加えません。むしろリンパ液は皮膚の表面近くにあるため優しくさする必要があります。そのような理由から、便宜上マッサージという言葉をドレナージュと同様の意味として使うケースがあっても、本質的に見ると両者には違いがあると考えているのです。
本質的に見ると違いがあるリンパマッサージとドレナージュですが、表面的には言い方の違いであるため、日常生活の会話などにおいてはどちらを使用しても問題ないでしょう。しかし、医療現場で使用する場合など、言葉の正確性が求められる場面では注意が必要です。リンパマッサージを生業とする場合、あくまでリンパマッサージは日本人に馴染みのある単語として広まっただけで、正式な名称はリンパドレナージュであるという知識を頭の隅に入れておきましょう。