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医療用リンパドレナージュ

医療用リンパドレナージュとは

医療用リンパドレナージュは、リンパ浮腫による症状の緩和を目的としています。デンマーク出身のエミール・ボッダー博士が生み出したマッサージと言われており、当時博士が担当していた患者さんの喉や首のリンパが腫れていたことをきっかけに、リンパの流れと病気の関係を推測し、リンパへマッサージを実施したところ、症状が緩和したのが始まりです。

その後、博士の編み出した技術を体系付けたものが、現在のリンパドレナージュのベースとなっています。

リンパ浮腫とは

リンパ浮腫とは、身体中に張り巡らされたリンパ管の中を通るリンパ液の流れが悪くなり、腕や脚といった一部の付加組織に水分やタンパク質が過剰に溜まった状態を指します。リンパ浮腫には「原発性リンパ浮腫」と「続発性リンパ浮腫」の2種類があり、「原発性リンパ浮腫」は先天的な疾患です。

「続発性リンパ浮腫」は後天的な疾患で、皮膚がん乳がん、卵巣がん、子宮がん、前立腺がんなどの治療でリンパ節を切除したり、放射線治療を受けた場合に発症しやすくなります。1度発症すると完治するのが難しいので、継続的な治療やセルフケアが必要です。

リンパ浮腫の症状

リンパ浮腫は症状の進行が緩やかで、徐々に上肢や下肢にむくみが現れるのが一般的です。国際リンパ学会では進行段階を0期から3期と分類しており、0期の段階ではリンパ液の流れに障害はあるものの、自覚症状は現れません。

軽いむくみや圧痕といった自覚症状が現れ始めるのは1期からで、2期に入ると患部を挙上しても症状が軽減することがほとんどなくなります。また、2期後期になると組織が繊維化し、皮膚に角化や乳頭腫などの変化があらわれるようになります。

リンパ浮腫の最終段階である3期では組織繊維化が進み、圧痕は生じません。その代わり、色素過剰や脂肪沈着、肥厚などの皮膚変化が生じます。

医療用リンパドレナージュ以外の治療法

スキンケア

リンパ浮腫は、リンパ液の炎症が発症や悪化の要因になりやすいため、炎症を起こさないためのスキンケアが大切です。毎日のスキンケアでは、洗顔によって皮膚を清潔にしてから、乾燥を防ぐために化粧水と乳液を塗布します。皮膚を傷付けるのは炎症の原因となってしまうため、指の腹で優しく撫でるように行うのがポイントです。

圧迫療法(圧迫状態での運動療法)

圧迫療法は、伸縮性と圧迫力のある弾性包帯やストッキングなどの圧迫衣類によって、皮下組織の圧力を高め、リンパ液が毛細血管から漏れ出したり溜まるのを防ぐ方法です。弾性包帯や圧迫衣類などを使って患部に適度な圧力をかけた状態で、ゆっくりと大きく筋肉を動かすのは、リンパ浮腫の改善に効果があるといわれています。

医療用リンパドレナージュの資格

日本リンパ浮腫治療学会認定 リンパ浮腫療法士(LT)

リンパ浮腫療法士(LT)の資格は、リンパ浮腫の複合的理学療法をメインとして治療を行う際、必要な専門知識や高い技術を有していることを証明する資格です。リンパ浮腫に関してのスペシャリストとも言える資格で、医師・看護師・作業療法士・理学療法士・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師のいずれかの資格を持つ人を対象としています。

ICAA認定 リンパドレナージセラピスト

医師や看護師、作業療法士や理学療法士を対象とした資格で、医療現場において実践的なリンパドレナージを実施できるようになります。資格を取得するには、リンパ浮腫研修運営委員会の主催する講義を33時間以上、「ICAA認定リンパ浮腫専門医療従事者資格取得コース」もしくは、キャラアロマテラピースクールによる「リンパ浮腫専門医療従事者資格取得コース」にて実技研修を67時間以上受け、認定試験に合格しなければなりません。

MLD認定 ベーシックセラピスト

エミール・ボッダー博士が考案した「MLD(マニュアルリンパドレナージュ)」を教育・普及する、オーストリアDr.ボッダーアカデミーインターナショナルが認定している民間資格です。こちらの資格は健康や美容を目的としており、資格取得後はリンパ浮腫の患者さんを除いた人への顔・首の施術が可能となります。資格の取得は講座の全日程修了が条件です。

MLD認定 セラピー1セラピスト

エミール・ボッダー博士が考案したボッダー式マニュアル・リンパ・ドレナージュの資格の1つで、MLD認定 ベーシックセラピストの上位資格として位置づけられています。ベーシックセラピストとは異なり、講座の修了と試験の合格が資格取得の条件で、取得後はリンパ浮腫の患者さん以外の人へ全身の施術が可能なため、多くの医療従事者が取得する資格です。

日本リンパドレナージスト協会 リンパ浮腫セラピスト

医療用リンパドレナージュの普及から啓発活動や人材育成、ボランティア事業などを行っている、特定非営利活動法人日本リンパドレナージスト協会の認定する民間資格です。対象者は医師、正看護師、理学療法士、作業療法士で、実技実習に限りあん摩マッサージ指圧師も対象になります。資格取得を通じて、リンパ浮腫に関する知識やマッサージの技術を基礎から応用まで学ぶことが可能です。

日本医療リンパドレナージ協会認定 医療リンパドレナージセラピスト

日本医療リンパドレナージ協会の認定する民間資格で、リンパ浮腫の認知拡大や研究・予防などを目的としています。対象者は医師、看護師、作業療法士、理学療法士、あん摩マッサージ指圧師および資格取得中の学生です。医療用リンパドレナージュに関する基礎知識から現場で役立つ手技を取得できます。また、資格取得後は、継続教育を目的とする「医療リンパドレナージ上級セラピスト」も目指せます。

日本医療リンパドレナージ協会認定 医療リンパドレナージ上級セラピスト

医療分野の国家資格者を対象とした資格で、臨床に基づいた医療用リンパドレナージやバンデージなどにおける高度な知識と技術を認定します。初級講習会・中級講習会・修了試験によって医療リンパドレナージセラピスト資格を取得し、スキルアップ講習会における必修4講座を修了。その後、上級講習会を修了して、選抜試験に合格することで資格を取得できるという流れです。

医療用リンパドレナージュと、美容目的のリンパドレナージュの違い

医療用リンパドレナージュと美容目的のリンパドレナージュでは、まず施術の目的が異なります。医療用リンパドレナージュはリンパ浮腫の改善を目的としており、リンパ浮腫の患者さんの手もしくは脚の先端から心臓へ向けてマッサージを実施するのが特徴です。

一方で、美容目的のリンパドレナージュは、血行促進効果やデトックス作用、リラクゼーション効果などを引き出すために行われます。こちらの施術は、全身から鎖骨のリンパ節へ向けてマッサージをしていくのが特徴です。

また、医療用リンパドレナージュと美容目的のリンパドレナージュは、資格取得にも違いがあります。医療用リンパドレナージュは、その名の通り医療従事者やあん摩マッサージ指圧師といった国家資格が必要です。一方で、美容目的のリンパドレナージュはエステサロンでも扱えることから、国家資格のない人でも取ることができます。